帰る日は雨の予報だった
昨日と同じように4時から露天で朝まで過ごすが、雲に覆われて空の色の変化はない。ぼんやりと曖昧に明るくなっていく。6時に小雨が振り始め、雨粒が大きくなるにつれてみぞれに変わっていった。水が顔に当たるのが嫌いなので一旦部屋に戻り窓の外を見やると、いつの間にかみぞれは雪に変わっていた
急いで風呂に戻る
雪の手白澤はやはり良い。雪が降ってこその手白澤とすら思う。バサバサと降り落ちる雪は周りの景色の輪郭をぼかし、白黒の風景に変わる。3月終わりに雪見風呂ができたことを幸せに思う
大きく重い雪が止めどなく降り注ぎ、息苦しいような気がして内湯に避難した。
内湯の扉を開けさせてもらい、内湯から半露天で雪見風呂を楽しむ。窓枠に切り取られた景色は、動く水墨画だ。それはもう美しいとしか表現ができない。
あぁ、なんて良い場所なんだ
前日の夕飯の終わり、お姉さんに「朝ごはんはご飯一膳だけ、盛ってもらえるかな?。お櫃は要らないから」と頼んでおいた。
お櫃があった
「ご飯が乾いてしまうので」とのことであった
恐恐開ける
一人分はこれくらい。昨日と比べてしまうと、全然余裕。基準がおかしくなっている
虹鱒
これも連泊時の定番魚料理になるのかな。焼きびたしの酢漬けのようになっている。うまい
目玉焼きにベーコン
ひきわり納豆だ
よく染みたフキ
いっぱいの漬物
グレープフルーツ
豆腐の味噌汁
完成
食後に紅茶を入れてあげたら「アールグレイ」だ「ダージリン」だうるさい
紅茶には変わりなかろうて
朝食を終え食堂から外を眺めると、雪は雨に変わり積もったばかりの雪景色を溶かして消してしまった。ほんの1時間だけ冬が現れ、消えた。
そして帰る前の最後の風呂で晴れた!
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