2020年9月宿泊
※今回の旅行では外国人のスタッフが登場しますが、毎回「外国人」という表現を使います。これは差別的表現ではなく、彼らの存在を際立たせるためにわざとそう表現しています。
今回の旅館選びは最高に雑だった。
元々、Gotoキャンペーンを使って箱根・熱海あたりの旅館に行こうとしていた。コレクションに加える為だけに。それだけでも雑なのに、翌週の連休に野沢屋へ行こうとしたら満室で埋まってた。よゆーぶっこいていて予約しなかった。だから凹んだり代替の宿を探したりそっちが気がかりで「一休で評価が高くてさほど高くない宿、じゃあここで良いや」と5分で決めた。だから旅館の予備知識が全く無かったのだけど、却ってこれが良かった。
箱根の宿を見ていると宿名が尽く胡散臭い。同じような画数の多い漢字で威圧してくる。強羅とか地名を使うのはまぁ良いが桜・翠・翡・悠・檀・瑠みんな同じような漢字を組み合わせて鬱陶しい。だから今まで近づかなかった
そういう意味では「松坂屋本店」は普通の名前でとっつきやすい。支店は無さそうだったが、何となく安心感のある名前。ただ従業員が外国人という口コミを見て「う~ん…」と思った。
旅館で外国人従業員を見かけるのは初めてではない。それに衰退国の日本では外国人労働者の力を借りないと駄目な状況なので彼らに対して感謝しなけければいけない。でも、箱根の歴史ある旅館で外国人の接客を受ける状況がイマイチ頭に浮かんでこない。「イラシャイマセ~」とかなんだろうか?
初めての店で昼食
混んだら嫌だから店名は載せません
美味しいだけじゃなく、心の洗濯も出来る店だった
出発して間もないけれど、お腹が満たされるとこのまま家に帰っちゃっても良いかなぁと思う
嫌いな圏央道を走って小田原まで。相変わらずクソトラックがどんぐりの背比べで追い越ししてるから慢性的な混雑が続いてイライラした。箱根新道は山崎ICと須賀川ICの間で乗用車の単独事故。事故直後っぽいが出来ることはないので横をするりと抜けさせてもらう。googlemapが旧道を指示しやがってヘアピンカーブをグネグネ登った
宿の前に車が近づくと、ひと目で分かる外国人の従業員が近づいてくる
タブレットのような端末を持っていて来客の把握・伝達をしているようだ。ハイテク
「いらっしゃいませ。駐車場はあちらですが同行の方だけでも降りますか?」
違和感のない日本語
車を止め先程の外国人に案内してもらう
事前に下調べをしていたが、しょっぱな外国人かぁと心の準備が出来ずにビビる。しかも今まで旅館で遭遇してきた外国人は中国系の女性だったのに、インド系の男性かぁ想定外だなぁと心の処理が追いつかない。
入口前にある手湯
硫黄泉の良い香りと豊富な湯の花で少し期待が膨らむ。ただくそ熱い
で建物に入ると
三つ指を突いた日本人女性がドーン
いや、普通のお出迎えなんだろうけど、オリエンタルな導入から古風な接客への落差が大きすぎて脳みそが一杯だよ…普通逆だろ…
こんな空間に連れてこられて、座って待つ
BGMはマイルス・デイヴィス。重く強い管楽器が耳に刺さる。僕は少しだけジャズを調べるように聞いたことがあるけど、マイルス・デイヴィスはまだ受け止められない。気軽に聞く音でもないし向き合うのに相当体力が要る。だからオサレ音楽としてジャズを選ぶのは良いけどロビーでマイルス・デイヴィスなんて流しちゃだめだ。もっとライトでもっと爽やかなジャズをきちんと選んでほしい
僕らは2番目のチェックインでしたが、この後チェックインの人たちで混み合って、子連れのクソガキの声も響き夕食までファミレス空間でした
なんとか心の落ち着きを取り戻そうと周りを見回すと
うん、十五夜な。でもぬいぐるみってちょっと可愛すぎない?陶器とか木のウサギとかじゃないの?
なんかこの辺から心がヘラヘラ笑い出す。なんか楽しくなってくる。箱根で古典的旅館に泊まるはずが、パラレルワールドにいるように感じられる。調べれば分かることだが、旅館自体に歴史があっても居抜き物件みたいに経営者が変わっているから古臭くないのだ。僕はそういう変化は大好きだ。何の努力もしないボンボンがクソ采配を振るって廃業するより能力のある者が歴史を受け継ぐべきだと思う
「Line登録していただくと感染者が出た時に素早く連絡が行きます」
Line入れてるのが当たり前なのかな?僕らは使ったこと無いけれど
コーヒーと桜湯を選べたので一つずつ
コーヒーとビスコッティはなんかあ~だこ~だ講釈があったけど脳のパニックが落ち着いていないので覚えてません
桜湯はうすしょっぱい汁
浮いてるオカキがお湯を吸ってヌメッとすると気持ち悪い
モナカは自分でつくるやつ。よくあるやつ
促販兼ねてるのかもしれないけど客に作らせる?
3個950円で売ってた。
じゃあ湿気ってても一個150円の普通のやつで良いや。
「浴衣も宜しければ」と言われたが、サイズが172cmまでしかなくちょっと悲しい思いをした
どっかから大きいサイズを持ってきてくれたが、人外扱いじゃん
三つ指をついていた女性が部屋まで案内してくれた。インカムで「〇〇様、部屋にご案内します」とか連絡している。この人は夕食でもたまたま担当が同じだったのだけど、かなり面白い人だった。この旅館は人に恵まれている
とても優秀と思われる外国人の人達が何故箱根の旅館の従業員をしているのか不思議だったのだが、彼らはインバウンドの為に雇われたのかもしれないね。トリリンガルとかなのかもしれん。最初は彼らにすごく違和感を覚えたのだけど、後日再訪した時に彼らが居なくなってしまっていたら僕はとてもがっかりするような気がする。彼らの存在は館内をとても豊かにしていた。それは外見の事だけではなく、真摯な接客姿勢が気持ち良いのだ。年を重ねて横柄で自分勝手になってしまった仲居より、彼らのほうが何十倍も良い笑顔を向けてくれる。
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