とmこが言う。「焼肉が食べたい」
悪くない。最後に焼肉のお店に行ったのは何年前だろうか?
焼肉のお店に行くと体にも服にも臭いがつく。だから行こうと思っても「臭いがなぁ」と行きたくなくなってしまう。
どんな焼肉を食べたいのか考えてみると、良い肉を少しで良いなと思った。もう食べ放題の店や低価格の店には行っても楽しめない年齢になっていた。体が受け付けない気がする
安易な考えで「大宮ならそんな店もあるんじゃない?」と調べて、安易な考えで「百貨店に入っているお店なら失敗しないんじゃない?」と店を決めた
出かける為に駅に向かうが「焼き肉ってコストパフォーマンス悪いよな」とじくじく考える。6,000円の予算ならもっと美味しいものが食べられるはずだと思うが、目的が変わってしまうので自分を戒める。
大宮駅は平日でも混んでいた。人混みが嫌いなのでうんざりする。不摂生な生活をしてるだろうおっさんが嘔吐に近い咳をしながら前方から歩いて来て、気持ちが悪くなる。
とmこの「バーガーキングにしようか?」などという誘惑に耐え、そごうのレストラン街へ行く。レストラン街はバイキングのお店に行列ができていた。ショッピングモールのレストラン街と変わらない光景が広がっていた。
12時直前に店に着いたが、待ちが2組
彼らは僕らの到着とほぼ同時に店内に入ったが、そこで満席となった
待っている間、店前にあるメニューを見ると存外に安い。ランチメニューだからか、1,000円台から食事ができる
15分待って店内に案内された
店内は焼き肉の臭いも音もしない。席の殆どが既に食べ終わって雑談する年寄りで埋め尽くされていた。彼らには外で待っている客の事も店の回転率も考える脳みそは残っていないようだ。食べ終わったらさっさと帰る数席が入れ替わるだけなので、僕らが食事をしている間に店の外には待っている人が増え続けていった。
ランチで一番高いであろうメニューを頼む
「食事がビビンバ・冷麺・ライスとわかめスープから選べます」
とmこ「ビビンバ!」
とむこ「(わかめスープが飲みたいから)ライス」
エプロンが供される
最初に前菜
普通のサラダ
普通のキムチ
普通のナムル
チヂミは軽く食べやすい
右側のネギが入ったタレを付けて食べる
肉は2皿に別れて供された
たんと豚トロ
海老
あれよあれよとテーブルに料理が溢れる
せわしい
肉を置くと焼き網が「チッ」と小さな音を立てる。
非常に静かに焼けていく。煙も小さな穴からシュルシュルと吸い込まれていく。焼き肉の豪勢感はゼロだが火力が弱いわけではなく、さほど待たずに火が通る
「食事の途中でお持ちしても良いですか?」「はい」
肉を焼く前に配膳された。というかビビンバにもわかめスープが付くのならビビンバにすればよかった
普通のビビンバ
とmこ「石焼きビビンバだったら良かったな」
前菜のナムルとキムチをご飯の上に乗せて食べた
ビビンバが食べたかったのではなくテーブルに料理が溢れて前菜が邪魔だった
2皿目の肉
赤身
カルビ
サーロイン
調味料は三種類
厚さ2mmのサーロインは焼き網の上で千切れそうになったが美味だった
肉の演出のためサイコロ状にカットされたエリンギが肉の下に置かれている。当然焼く
隣席の若者がパプリカを焼かずに残していた。勿体ない
家に帰ってから気付いたのだが、服に焼き肉の臭いは全く付いていなかった。エプロンの必要性は皆無
デザートは杏仁豆腐
ほうじ茶がサーロインの次に美味かった
腹8分目
旨い肉を少しだけ、匂いを気にせずに食事をする、という目的には100点のお店だった。ただし感動は少ない
コメント