これらの写真を見て肘折に行きたくなる人なんていないだろう
(「カフェ ばす停」っていう看板が見えるけど、当時は看板だけで潰れちゃったのかな?と思っていたら開業前でした。9月18日開店だそうです)
お盆明けの平日の昼間、観光業としては一息ついてる状況。西本屋旅館だって館内工事をしてるし、商店も品出しで忙しそう。温泉街というより東北の山奥の小さな商店街みたいな場所を目的もなく歩いてみても面白みなんてあるわけない。でも、もしかしたら繁忙期も同じ様な雰囲気かもしれないな
もちろん嘘もついている。「ひじおりの灯り」という灯籠展示会が開催中で鑑賞しながら歩けば楽しい。灯籠だって昔からの古臭い灯籠を飾りましたって手軽な物じゃなく、詳細に眺めると10分は楽しめる緻密な作品を展示している。
東京だったら美術館でガラスと警備員に守られた状況で見るような芸術作品がさらっと軒先に飾ってある。
やってることは凄いのに「ほれ見ろ!」っていう押し付けが全く無いから、肘折のつまらない世界観が壊れていない。
真面目な話をすれば、昔の湯治場が時代の変化を受け入れず(語弊がある。うまく表現できない)綺麗に残ってる。重要なのは「変わらず」「衰えず」残っている点。集客の努力に依って昔ながらの物は消えてしまうわけだけど、変化する努力をしなければ廃れて結局は消えてしまう。だから「変えないのに衰えない」っていうのは不可能なはずなんだよね。見方を変えれば奇跡的な場所なんだろう。特に旅館業は斜陽産業と言われるほど厳しい状態だから、有名な草津温泉だって湯畑を変な色でライトアップまでして新規顧客を開拓しているのに肘折はそういう媚を売らずにきちんと(まだ)生き残っている。
「皆んなで仲良くやってきたから続いてこれた」と旅館の人が仰っていたが、その言葉に嘘はないだろうな、と温泉街を歩いていて思う。調和しているからこそ「湯治場」が守られている(書いてて思うが、現代人が湯治をしなくなっているのに何で守れる?不思議)。調和の結果だと思うが、温泉街のメインストリートは綺麗に整頓されている。いろんな旅館が寄り集まっていれば旅館前が訳の分からん植物で一杯になっていたり、家族の私物が山のように積まれている小汚い旅館が一つはありそうなものなのに、みんな優等生といった感じで一定の清潔さを保っている。廃れた情景が無いのも素晴らしい。温泉街には崩れかけた廃旅館や空きテナントは一つもない。他の温泉街が繁栄のために手放してしまった物がここには残っている。
これは僕の個人的な見方で、ここで生きている人たちは物凄く努力して新しい肘折の形を作ろうとしているのかもしれない。たった1泊2日の旅行者が「変わらない良さがある」と浅い感想を言っても全く間違っているかもしれない(恐らく開発に振るか保存に振るかは議論されているんだろうなぁ)
カネヤマ商店でビールサーバーが置いてあって、生ビールが飲めたが店内のテーブルで飲めると思いこんでどかっと座ったらお店の皆さんは蜘蛛の子を散らすように居なくなってしまった。
さて共同浴場、上の湯(この他にも2ヶ所あるがそれは宿題)
旅館で上の湯の入浴券をもらい、「行ってきます」と出ようとすると引き止められる。
「木枠しかない脱衣所だから財布とカメラは旅館に置いていって」と盗難をすごく心配している。貴重品を渡すまで外に出さないって位の勢いでご夫婦2人に説得された。たしかに最近は脱衣所で置引き注意の警告を見ないことはないもんなぁ。心配はありがたいが湯上がりにそのままブラブラしてみたいのでどうしたもんかと思っていたら「じゃあ受付の人に預けたら良い」とアドバイスされお出かけとなった。上の湯は西本屋のほぼ相向かいだから荷物を取りに戻るのは大変じゃないんだよね。僕の我儘です
貴重品ボックスがあったので、使わせてもらう
浴室から脱衣所が丸見えの所は湯船に浸かりながら荷物の監視ができるので安心。脱衣所が見えない所は鍵付きロッカーは必須の時代だ
肘折は源泉の種類が多くて楽しい。
四万温泉のように源泉数は多くても結局地下で繋がってるだろ、みたいなことはなさそう。上の湯だけでなくいろんな旅館に立ち寄りしてみたい
上がり湯は冷たかった
洗い場はない
スリットにお賽銭を入れるのか。でも財布は預けちゃったし
脱衣所のロッカーに書かれた落書き
緩いぞ!肘折!!
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