この施設は退院後、育児の不安を解消してから自宅に帰りましょうという緩衝材の役目を果たしている。愛和病院は母子同室ではないので、助産師が常駐している環境で48時間新生児と一緒に過ごしてから自宅に帰れるのは心配性な人にとってありがたいと思う
僕らが宿泊した当時はHPに詳しい記載がなく、滞在中どうやって過ごすのかよく分からなかったが最近HPに「一日のスケジュール」も載るようになったので、それを見ればこのブログは読む必要はない。何故そんな前置きを書いているのかというと、かなりきつい文章になってしまったからだ。読んで不快な気持ちになる人も多いと思う。施設を利用して4ヶ月経ってから文章にしてみてもあまり柔らかいものにはならなかった。大抵時間は気持ちを穏やかにして丸みを帯びていくものだけど。
僕らのお世話をしてくれた方々には感謝しています。いま5ヶ月で寝返りも完成し文句を言えるくらい成長しました。

それでは始めましょうか
愛和病院を退院後、そのままパタニティマタニティハウスに移動するのを「ストレート」
一度退院して1ヶ月以内にパタニティマタニティハウスに宿泊するのを「リターンズ」
とHPに記載している。僕らは仕事の都合で退院3日後に宿泊する「リターンズ」だったのだが、宿泊は「ストレート」が優先されるので宿泊日前日の昼まで宿泊できるのか確約がもらえなかった。これは想像でしか無いのだが、出産してお花畑状態の母親をそのままパタニティマタニティハウスに勧誘するための(経営的な)措置と思うので、出産前にプランを決めて料金も支払い済みな我々が無下に扱われた感が多分にあった。あと、宿泊当日のチェックイン時間は9:30に設定されているのだが施設側の都合で11:00に変更された。自営業なので繁忙期な店を臨時休業にして朝一から時間を作ったのに、1時間半も後ろ倒しにされたのも気分が悪かった
宿泊して分かったのだがスタッフが少人数で部屋の掃除が間に合わなかったり、案内する人手がなかったのが原因だった。5部屋あるのに一組ずつしか案内できないからインの時間をずらして調節していた。2泊3日で15万円という安くない料金を払っている側からすると、もう少し人件費にお金を掛けてくれてもよいのではないか?と感じるシーンがこの他にもあった
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とむこ「11時って言われてるけど少し早く着いても大丈夫だろ」


10時57分に撮影している。10分近く外で待たされた

僕らを知らない人が読んだときのために補足しておくと、この時点で婚姻届は出していない。母親と父親の名字が違います。なのでそのように宿泊簿を記入してスタッフに渡すと「えっ!?」って顔をされた。こっちも「えっ!?」って思った。愛和病院の併設施設なのに情報共有が一切されてない。そういうデータはとmこさんが愛和病院で散々記入してるはずなので、とても残念。だって僕らみたいな地雷を避ける情報を既に持っているのに有効に利用できていないなんて勿体ない。
婚姻届を出していない理由はいくつかあるのだけど、すでに付き合って10年経っているから紙を使った契約は必要ないのです。それに婚姻届って行政上の手続きだけで子育てや生活に必須なものでもないしね。子供ができたケジメとして届けを出すのも一つだけど、今はその時でもないって感じです。結婚という責任から逃げているわけではないことを相手が理解してくれていればそういう形もありです(あと結婚して世帯収入が上がると子ども手当が減額されるとかばっかじゃねーの?)
ま、そういう考え方を他人に押し付ける気はありませんが、夫婦別姓とか多様性を世間が認知し始めている世界で「え!?結婚してないの?」という顔をこういう施設で向けられるとは思ってなかった。
「ステイラウンジ(談話室)」っていう空間で最初の手続き



子供はワゴンに乗せられて2泊3日ワゴン上で過ごす


コロコロが付いているので部屋への移動も乗せたまま。抱っこしなくて良いので便利だった。そのままベビーベッドとしても使用できるのでちょっと欲しくなりましたが3万円近かったので断念。
コロナ禍以前は食事をここに集まってみんなで食べていたのかも

宿泊名簿の他に教えてほしいことリストがあって希望するものにチェックを入れていきます。例えば「ミルクの作り方」とか「抱っこひもの使い方」とか小さなものから「簡単クッキング」みたいな少し大掛かりなものまで色々。必ず参加するイベントは「お七夜」という命名式だけだったかな?
ただ僕がちょっとなぁと思ったのが
○イベントは最初から日にち・時間が指定されてしまう
○イベントは希望制だが半強制的に参加させられる
の2点
HPには「談話室のゆったりソファーに座り2泊3日のパーソナルスケジュールを助産師と決めていきます。育児をしっかり学ぶもよし、ゆったりのんびり過ごすのもよし。スケジュールを決めるのはあなたです。」という記述がありますが、結構大きい嘘です。この文章だと「○時にこれをしたい」って希望してその要望を元にスケジュールが出来上がりそうでしょ。でも実際はスケジュール(というかイベント)は施設の都合で時間が決まってしまい、参加するしないの決定権は有るようでありません。
例えば「知らなきゃ損する男同士の話」という如何にもそそらないイベント(発案者には申し訳ない)があって勿論希望しなかったのだけど「是非お勧めです」を数度繰り返され仕方なく参加した。その強引さの裏にある必死さを汲み取って参加してあげた。接客業をしているから客側でもお願いには出来るだけ応えるようにしているけれど「出席者が少ないので参加して欲しい」とかの本音を言わずに強引に押し切ろうという姿勢は好きになれなかった。因みにそういう「是非お勧めです」は僕以外の宿泊者にもやっていて、旦那さんがどうしても首を縦に振らないから奥さんを説得して奥さんからも参加するように仕向けていた。
とむこは育児の不安を解消したいなんて気持ちは全く無くて「如何に羽根を伸ばすか」を目的にして来たからもうこの時点でうげぇって思った。(極度の心配性だが育児のテクニックに関しての不安はない。抱っこしたら折れそうだから抱きたくないなとか、SIDSは怖いなとかテクニックでは消えない恐怖は自分でなんとかするしかない)
そして「パパへのアロマ」は初日の16時45分

一日目の夕方なんて一切疲れてないんですけど…。滞在中、疲れたタイミングで電話すればマッサージを受けられる、みたいシステムなら嬉しいけど「じゃあ16時45分が空いているので」とマッサージさんの空き時間を基準にスケジュールが埋まっていきます。そりゃないよ
そんなこんなで
1日目
12時 昼食
14時 「知らなきゃ損する男同士の話」
16時45分 パパへのアロマ
19時 夕食
助産師の手が空いたタイミングで沐浴
というスケジュールが出来上がる。あぁもう全然ゆっくり出来ねぇじゃん!!3時間ぐらいゴロゴロしてぇ
付近で聞こえる「部屋の準備できた?」「まだ」「〇〇(助産師)さん空いた?」という会話をBGMにしてステイエリアで待つ。
そして助産師さんが現れ、部屋に案内してくれた。助産師さんが旅館でいう仲居さんの存在となる。
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1ルームだけど、手前に赤ちゃんお手入れゾーンが有るのが特徴






居住空間




こういう細かさは温泉旅館ブログを長く続けているから癖みたいになってますね




水とほうじ茶だけ無料で補充してくれるって説明だったけど、ちょっとケチいな
ベランダの目の前は愛和病院の保育所。夕方になると子供が奇声を上げながら飛び回っているのを観察できる。我が子も早く育って欲しいと思いました


ここで沐浴するのですが、ちょっと狭く感じた

洗面所としては十分な広さなんだけど、沐浴を教わるなら対面式が良かったなぁと思う


とむこ「ちっ、シャワーか」

羽根を伸ばしに来たので湯船に浸かりたかったのですがあてが外れました
居室の天井は広い。ベッドの真上にスポットライトが付いていてギラギラと顔を照らす

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部屋について間もなくお昼ごはん
飲み物は毎食選べました

施設内はアルコール禁止です。代わりにノンアルドリンクを頼めます(記憶が曖昧でノンアルはディナーだけだったかも)。

とむこは母乳を作らなきゃなのでホットミルク。とmこさんは紅茶

食事は「家庭料理」と強調されています。

ビビンバの上に







館内着が用意されているので着替える


サイズがつんつるてんなのでサイズ交換してもらいました。肩が突っ張って春日みたいなポーズしかできません。本当はね、部屋を案内しながらちらっと体型見てもらってサイズ交換してもらえるとホテルっぽくて嬉しかったのだけど
写真を見返しても育児が不安な夫婦の雰囲気がないな。エンジョイしている

昼食後、助産師さんが来てくれて「授乳」を教えてくてたのですが…

別のエピソード
夕方に沐浴指導があったのだけど、とmこさんと僕のどちらが沐浴するのか話し合っていたら「旦那さんが沐浴して!」と指名され、その発音に込められた「根性叩き直してやる」的な感情にウンザリしてしまった。結婚しない=責任感がない=子に愛情がない、というステレオタイプで敵意を向けられても困るんだよな。それにここは心の矯正施設じゃないでしょう。もし僕が助産師が思うような人物だったとしても変な正義感でプリプリしながら育児を教わっても心を入れ替えたりなんかしないと思う。私情を挟まずに必要なテクニックだけ教えて欲しかった。もしかして3日間こんな扱いを受けるのか?ととmこさんに愚痴を言ってゲンナリしていたら助産師さんは2交代性だったので2日目3日目は居心地は良くなった
さて、文章ばかりになりますが14時になったので談話室へ「男同士の話」を聞きに行きます。これは凄く気が進まなくてとmこさんに「頑張って」と応援されながら嫌々向かったのを覚えている。何が嫌って僕46歳なんですよ。こういう施設に来る旦那さんの平均年齢20代ですよね。どうせみんな人生に傷一つないんだろうし、傷だらけの自分がそこに居ても場違いだよなぁと強く思うのです。せめてバックグラウンドが分からなくても46歳の未婚の旦那が来たら警戒して「(若い)男同士の話」なんてイベントに誘わないでほしかった。ま、仕事モードで作り笑いしてれば何とかなるべと行ってみたら、参加者は僕を含めて2人ですよ。僕が参加しなかったら主催の保育士さんと若旦那のマンツーマンですよ。それじゃあ「男同士」にはならないから必死に参加させようとしていたのか…全員同じ日にチェックインするわけではないから毎回5人集まるわけではないだろうが少なすぎるだろ、間が持つのかこれ?というのが最初の印象。
主旨は「父親の育児参加と父性の育み方について」

ここでぶっちゃけさせてもらうと、出産直後に生じる夫婦間の断絶は父親の頑張りよりも母親の精神状態で結果が大きく変わるような気がします。勿論出産後のガルガル期をケアするために父親頑張れって事なんですけどもあれってホルモンバランス的なものだから頑張りでどうにかなるものなのかな?元奥さんとも子育てをした経験から申し上げると「同じ熱量で育児参加しても人によって結果は異なる」。悪い表現をすれば「親ガチャ」ならぬ「妻ガチャ」は必ず存在します(「夫ガチャ」も勿論存在しますけども)。母親からすれば父親の育児は物足りないかもしれない。24時間子供に付きっきりは本当に精神的にも肉体的にも大変だと思うけど、仕事もやっぱり大変です。24時間じゃないけれど仕事で精神も肉体も磨り減ります。なので、疲れや負担は「どっちが大変」で判断するでなくお互いに出来る範囲で頑張って、殴り合いはしない方が幸せな結果になるんじゃないかと思います。
新生児期にいちばん重要なのは母の睡眠時間の確保でしょうか?育児に参加するというより数時間交代して母の寝不足を改善できれば父親の育児は90点かと思います。完母だと交代が難しくなってしまうので粉ミルクを取り入れて4時間熟睡できる時間を提供できれば恨まれるリスクは減るかなぁ。僕は夜は早々に寝て朝5時に起きて出勤まで育児交代しました。といっても子が起きたらミルク飲ませて寝かしつけて側で一緒に寝るだけですけど。でもやっぱり新生児の期間が一番精神的に張り詰めますね。睡眠時間が伸びる3ヶ月になるととーっても楽になります
お金で解決できるならベビーシッターを使うのが一番。こういう事を言うと世の中の流れに反しますが「旦那は目一杯お金を稼ぐことに集中して、稼いだお金を外注に使って楽な育児を目指す」というのが誰も不幸にならないような気もします。育児に参加しない=愛情がないって解釈されるとまた拗れますが
こんな感じでイベントをこなし、夕方に「パパへのアロマ」の時間になりました。愛和病院では切迫早産の入院中や出産後の入院中にアロマサービスが有るのでぶっこんでいるのでしょう。「ママへのアロマ」は出産後に既に受けている、ということ?で滞在中の施術はありません。とmこさんが「受けられるものは受けて」というのでやってもらいましたが、マッサージ受けるほど育児の疲れもないのにな?というはてなマークがずっと頭に浮かんでいました。「ママへのアロマリターンズ」で良いような気がしました



アロマの後は前述した沐浴指導を受けました。「Ipadで予習した?」なんて助産師さんに言われましたがそんな余裕ないっすよ
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夕ご飯


ノンアル飲むなら飲まないほうがマシ、と馬鹿にしていたのですが精神的疲労を回復するためにノンアルを飲まざる得ませんでした。でも味はビールと遜色ないですね。美味しくてびっくりしました。施設の出入りは自由なので外行って買ってきちゃえばアルコールは飲めるのですが、ルールとして施設内アルコール禁止だったのできちんと従ってます





アイスはバニラ・チョコ・ストロベリーから選べる

これで初日終了です。温泉旅館なら温泉に浸かるんだけどなぁ~
談話室の書籍類。名付けとか子育てとか

この料理本が面白かった

談話室のテーブルにお菓子が並んでいるので定期的に盗みに行きました

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